ビジネス・ショート・ショート
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コロナ後の「多様性市場」をどう読むか?2025.12.13
コロナ禍をきっかけに、私たちの生活様式は大きく変わりました。中でも顕著なのが「儀式文化」の変化です。葬儀は家族葬が主流となり、婚礼は少人数・写真婚・オンライン婚と、多様な形が広がりました。これらの流れは一時的なものではなく、価値観の変化によって今後も続くと考えられます。では、経営者にとってこの変化は「市場の縮小」なのでしょうか。私はむしろ、お客様の価値観に寄り添えば、新しい市場が広がる兆しだと感じています。まず葬儀。従来のように大人数を集めることが前提の葬儀は減少しましたが、家族葬は「ゆっくりお別れができた」「費用の透明性が高い」など、満足度は決して低くありません。さらに樹木葬・直葬・オンライン葬儀など、多様な選択肢を受け入れる層も増えています。つまり、市場が縮んだのではなく、“画一的な旧来モデル”が小さくなり、価値観に合わせた“分散型の市場”が広がっていると言えます。婚礼も同様です。大規模披露宴が減った一方、「本当に必要なものだけに絞りたい」「写真や動画に投資したい」「家族だけで温かい式をしたい」という声は増えています。従来のビジネスモデルでは利益が出にくくなる一方、小規模化に合わせた“パーソナル提案力”が企業の差別化ポイントになりつつあります。そして、これらの背景にあるキーワードこそが「多様性(ダイバーシティ)」です。年齢・家族構成・価値観・働き方が多様化し、何にお金を使いたいかは人によって大きく異なります。企業がとるべき姿勢は、「大多数に合わせる」から「個別の価値観に寄り添う」への転換です。重要なのは、大きな投資ではなく、日々の改善と工夫です。以前お伝えした空調設備の見直しや働く服装の工夫のように、「小さな改善が働きやすさや満足度を積み重ね、大きな成果につながる」これはどの業界でも変わりません。今、求められているのは規模ではなく「質」。お客様一人ひとりの価値観を丁寧に拾い上げる企業こそ、この変化の時代に選ばれていくのだと思います。
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「SDGs疲れ」と“本音隠し”が生む違和感 そこに新しい商機は?2025.12.6
最近、企業間では「SDGsの観点から年賀状を取りやめます」、ビジネスホテルでは「環境配慮のため連泊時の清掃を省略します」という言い回しを多く目にするようになりました。しかし、多くのひとが感じているように、これは“建前”であり、本音は コスト削減や人手不足への対応だと思います。SDGs自体は否定しませんが、「それを言い訳に使う」姿勢に違和感を覚えます。年賀状をやめる企業の多くは印刷の手配、人件費、郵便代の負担を軽くしたい。ホテルの清掃省略にしても、環境配慮より人手不足・清掃スタッフの確保難が背景にあると思います。つまり、問題の本質は 企業体力の低下と人材確保難であり、SDGsはその“便利な理由付け”に過ぎない。この「建前と本音の乖離」は、むしろビジネスチャンスだと思います。なぜなら、多くの人は気づいているからです。「本当に環境配慮なの?」「ただのコストダウンでは?」と感じながらも、言い返す場がない。ここに “正直であること”そのものが価値になる市場 が生まれると思います。例えば、
● 年賀状廃止の代わりに、社長の動画メッセージを元日に配信する「デジタル挨拶サービス」
● ホテルでは「清掃なし割」「エコ選択でポイント付与」など、理由を明確にした料金設計
● SDGsを“免罪符”にしない企業姿勢を打ち出すブランディング支援
● あえて紙の年賀状を続ける企業向けに「想いを形にするアナログ価値」、サービスポイントは、SDGsを盾にせず、 企業が本音を語り、顧客と誠実に向き合うこと。これこそ、これからの時代の企業価値につながりませんか。SDGsを理由に便利に片付ける企業が増えるほど、「正直な企業」が際立つ。そして、その誠実さを商品に変えることこそ、新しいビジネスチャンスではないかと思います。


